コラム

2017年

2月

07日

中小企業の事業活動に影響を与える最近の2つの法改正

・ごく最近,「個人情報保護法」と「景表法」が改正された。

 中小企業の事業活動にも大きな影響を与える改正であり,ぜひとも正確にフォローしておきたい。

・まず,個人情報保護法の改正(H29.5.30施行)により,事業に使用する個人情報が5000件以下の事業者についても(たった1件の保有でも)同法の適用を受けることになる。

 個人情報は重要な財産であるうえ,手厚く保護することが信頼獲得の基本となることを意識し,必要な措置を講じておくことが必要である。

 ここに必要な措置とは,①どんな目的で個人情報を利用するのかをはっきり本人に伝える,②本人の同意なしに目的外利用をしない,③安全に保管する,④みだりに第三者に提供しない,⑤本人の開示要求等があれば誠実に応じる,ことである。

 なお,(財)日本情報経済社会推進協会から「JIS Q 15001:2006 個人情報マネジメントシステムー要求事項」に適合しているとの認証を受けると,商品やサービスに「Pマーク」を表示することができる。

 ブランド・技術の知財化とともに,差別化の有益なツールとしてPマークの取得を検討してみても良いだろう。

・次に,景表法の改正(H28.4.1施行)により,優良誤認(商品・サービスの品質・企画・その他の内容に関するもの)・有利誤認(商品・サービスの価格・その他の内容に関するもの)の不当な表示が行われた場合,

 従来の措置命令に加え,新たに課徴金納付命令の制度が新設された。悪質な不当表示の場合には,措置命令と合わせて,不当表示がなされた商品・サービスの売上額の3%(最大3年分)の課徴金も賦課される。

 これらの発令を受けると信用が失墜するうえ,財務基盤が脆弱な事業者においては組織の存亡に関わるほどの経済的なダメージを被る可能性もある。

 広告は売上アップの重要なツールだが,優良・有利表示の行き過ぎは禁物である。

 特に,景表法7条2項は,当局から表示の裏付け資料の提出を求められたのに所定の期間内に合理性ある資料を提出しないときは,不当表示に当たると「みなす」と定めている。

 このように立証責任が転換されていることにも注意が必要である。

 

2016年

12月

23日

みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」

忘年会・新年会シーズンを迎えて飲酒の機会が増える方も多いだろう。

私はアルコールを飲まないが、目の前にうまい料理があると軽く一杯、ちょっとだけなら平気という気持ちが起こるのもわからなくはない。

 

警察庁発表によると飲酒運転が厳罰化されたことで、飲酒による事故は以前より減少しているものの、下げ止まり傾向にあり、依然として悲惨な事故が後を絶たないそうだ。

飲酒の事実を隠すため、ひき逃げする悪質な事件が横行しており、早期に救護が受けられなかったために被害者が重症化するといった皮肉な結果が生まれている。

 

ところで、最近の自動車は危険回避やアシストブレーキなど安全制御機能を搭載したものが主流になっているが、自動ブレーキや衝突回避してくれるから大丈夫などとモラルハザードが起こらないとも限らず、飲酒をチェックする機能が搭載できないものかと思う。

 

例えば、顔認証、指紋、網膜など認証技術を駆使して、ドライバーの酒気を判定する仕組みはどうだろう。

ハンドルを握る指紋と顔認証でドライバーを特定した状態で、ダッシュボードに設置された呼気検査器に息を吐き、法定以上のアルコール濃度が検知されたらエンジンがかからないようにしておくのだ。

 

誠に残念だが、ドライバーのモラル任せでは飲酒事故が無くならないことは明らかであり、自動車が運転されることを拒絶するというアプローチも必要ではないだろうか。

 

2016年

11月

23日

銀行の「失われた15年」

・銀行の「失われた15年は」金融検査マニュアル(1999年)ができてから15年という時間で銀行の失ったものは極めて大きいものがある。

 金融機関の中小企業向け貸出残高が1998年の317兆円から2013年には223兆円と94兆円減少した。

・金融検査マニュアルは預金者保護と言いながら、実際は抜本的な不良債権を断行するためにつくられた。

 銀行の企業への融資判断を同一視し(一度でも業況が悪くなれば、借入不可)、マニュアルに徹底的に対応し、不良債権を生み出さないための銀行経営に

 シフトした結果が貸出残高減少の原因と考えられる。

・銀行では経常運転資金として一般的に行われていた「短コロ」が検査マニュアルの資産査定で厳しくなったことで、信用保証付きの長期融資にシフトされた。

 これがため長期貸出残高が短期貸出残高を上回ることとなった。

 長期資金にシフトしたことで設備投資意欲の減退や元金返済、保証料の支払等で資金繰りを圧迫した。

・金融庁は2016年10月「金融行政方針」を発表した。不良債権の処理を重要視してきたこれまでの姿勢を転換し、銀行に企業の将来性をみて貸出を増やすよう促す考えを明確にした。

 銀行に対する検査・監督を見直され銀行が自身のリスクで融資しやすい金融マニュアルの改訂が望まれる。 

 

2016年

11月

09日

産業保護政策で産業は守れるか

結論: 守れない、自己改革能力のある者のみが生き残れる

 

アメリカの鉄鋼産業と自動車産業を例に考察

1.鉄鋼業界

1950年の粗鋼生産量はアメリカ88百万トンに対し日本は5百万トン弱。

1960年ではアメリカ90百万トンに対し日本は22百万トンに増加(50年、60年ともアメリカの数字は約10%のカナダ分を含む)。

その時から1992年迄、途切れることなくダンピング提訴、自主規制、Triger Price Mechanism、輸出許可制度(VRA)を実施し、国内鉄鋼メーカーの保護を行ってきた。

それでも、2000年代に入りBethlehem Steel、LTV Steel、Inland Steel、National Steelと言った名門企業が相次いで破綻、NationalはUS Steelが、その他はインド企業に買収された。

破綻の理由は強い労働組合(USW)を背景とした高い労務費と、すでに成熟していた故に遅れた最新技術の導入遅れと言われている。

 

2.自動車産業

1981年から1994年迄、日米交渉により日本側の輸出自主規制が実施され、アメリカ自動車メーカーの保護が行われたが、結局2009年にChrysler、2012年にGMが民事再生法(Chapter 11)を申請して破綻する結果となった。

一方、日本自動車メーカーは輸出自主規制を行いながら現地生産にシフトし、今や現地企業として雇用増大にも寄与している。

破綻の理由は、鉄鋼産業と同じく強い労働組合(UAW)による高い労務費と、石油価格の高騰に対抗する燃費の良い車の開発を怠った事であると考えられる。

 

この様に保護政策では守れないが、選挙目当ての政治が介入する事で同じ過ちを繰り返すこととなる。

他山の石としたいものである。

 

2016年

10月

25日

地方創生と近郊都市

・昨年の地方創生政策アイデアコンテストで西東京市の「チーム24分ですむまち」は、

 “「さらに良質なベッドタウン24」をめざして”のテーマで応募し、協賛企業社長賞を獲得した。

・チーム名の「24分」は、西東京市の都心へのアクセス時間と買物・病院等の所用のための市内での移動時間が20分程度以内で済むことを意味し、「すむまち」は用が“済む”ことと“住む”ことをかけている。

・RESASのビッグデータ解析によりチームは、“就労者の75%が市外就労している”こと、“休日の食事・ショッピングは近隣市に出かけている人が多い”現状を確認し、西東京市を“中央でも地方でもないまち”と定義している。

・それを踏まえ、“「さらに良質なベッドタウン」をめざして”東伏見公園に地産地消の市場(マルシェ)とバスターミナル・駐車場を持つターミナルマルシェを開設することと、吉祥寺エクスプレスの運行を提案している。

・広大な東伏見公園の有効活用、地産地消の市場開設による地域振興、環境に優しい交通手段、とメリットづくめの提案となっている。

・しかし、市場開設による地域への貢献は限定的で、市外での消費促進は地域産業の衰退を助長する懸念がある。

・若年層の東京集中が続く一方高齢者の東京流出の動きが出ている。

 東京近郊都市が、働くための用を“済ます”場所になっており、“住む”場所になっていないのかもしれない。

・データ分析により需要変化のきざしを見つけ出し、それを拡大していくサービス提供も必要だが、それを生み出すにいたった本当の原因に対し根本的な対策を地道に行っていくことも重要ではないかと考える。

 「遠回りこそ近道」であることも多いのだから。

 

2016年

10月

11日

良い焼肉屋、悪い焼肉屋の見分け方(初級編)

・良い焼肉屋かどうかを素早く簡単に見分けるにはビールとカルビを頼むと良い。

・ビールを頼んだ際にはビールの泡と飲んだ後のジョッキに注目すると良い。

 泡についてはゴワゴワした泡ではなく、揺らすと液体みたいにこぼれてしまうくらいクリーミーな泡が良い。

 飲んだ後のジョッキについてはリング状に泡がジョッキに残るお店が良い。(エンジェルリングという。)

 この2つを持ってビールサーバーとジョッキの洗浄が行き届いているお店かどうかがわかる。

・カルビを頼んだ際には枚数と皿の裏と赤身と脂のバランスを見ると良い。

 枚数については6枚あるお店はグッド、4枚は危険ラインである。

 皿については洗浄を確認する、表は確認できないので、裏面を確認するべきである。

 赤身と脂のバランスについては油でかさ増ししているお店は危険である。

 肉のさしはオッケーだが、肉ではない脂身部分が多いお店は良心的ではない。

・以上の点を確認して、良い焼肉店を発掘し、素敵なお肉ライフを満喫していただきたい。

 

2016年

10月

03日

金融機関の事業性評価は定着するか

・1998年に金融監督庁が設立され、1999年に金融機関検査のために金融検査マニュアルが設けられた。

 金融検査マニュアルは、当時、金融機関で課題になっていた不良債権処理に重点が置かれていた。

・そのため、金融機関は企業への貸出金の回収可能性、

 すなわち、貸出先企業の金銭的価値を示す貸借対照表を重視することになった。

・並行して1998年に100%信用保証制度が創設された。

 金融機関では回収不能リスクがなくなった結果、貸出先企業とのコミュニケーションが減少、

 事業価値の目利きも不要になって機能低下を招いたといわれてきた。

・2016年9月に金融庁は金融仲介機能のベンチマークを発表した。

 これまでの資産査定に偏重するのではなく、貸出先企業の定性的な魅力や将来性を評価することに

 基づいて取引することで、企業の信頼と金融機関としての機能を回復するために。

 

2013年

7月

31日

「5S」のすすめ

先日、ある清掃請負会社を訪問した時の社長のお話。

 

この会社は歯科医院を主な契約先として、定期的に院内の清掃や衛生管理を請け負っています。20年ほど前に事業を始めた時、清掃を外部に任せようという医院はほとんどなく、衛生管理に対する歯科医の意識は今から考えると格段に低かったそうです。

 

そう言えば、一昔前の歯科医院は結構古い機器を使い、治療後のうがいもアルミのコップで流し台も結構汚れていたし、床も決してきれいではなかったような記憶があります。最近の歯科医院はホントきれいに清潔になりました。

 

ただ、今でも歯科医によって、清掃や衛生管理に対する意識は大きく違うようです。

 

社長は、単に請け負った仕事を完ぺきに行うだけでなく、歯科衛生士や看護師さんなど、そこで働く人の意識を変えることが重要だといいます。

 

専門業者として清掃をするとともに、清潔な状態を維持するコツを教え、意識づけを行う。

 

そして、スタッフの習慣付けができた医院は、単に施設が清潔なだけでなく、資材や備品、書類などの整理整頓もすすみ、仕事の能率が上がるとともに確実に患者さんの数も増えていくそうです。医院の「5S」のきっかけ作りを外部清掃会社が行っています。

 

「5S」という用語は、よく知られているように「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」をローマ字で表した時の頭文字「S」をとって呼ばれ、最初は工場の運営改善に使われたものです。しかし、現在は、事務所内や店舗などに様々な業種においても、仕事の管理や能率を上げる基本の取り組みです。

 

歯科医院のように、施設内の清掃が仕事の能率や働く人のやる気にもつながり、業績向上につながります。

 

事務所や机の上はキレイになっていますか?必要な書類はすぐに見つかりますか?

 

「机の上や中が汚い人は頭の中も整理されていない!」と言う人もいます。

 

5Sの最初のS「整理」とは不要なものを捨てること。

 

売上目標達成はもちろん大切ですが、まずは、不要な書類やパソコンのデータを捨てる「整理」や職場内の「整頓」が基本です。

 

(庭野 勉)

 

2013年

6月

18日

「これからの働き方」とは

この夏、市内の中高生を対象にしたセミナーの講師を依頼された。

「これからの働き方」がテーマで、テレビにも出ている有名人を講師に迎えその成功体験を語ってもらうのがこのセミナーのメインになるようだ。

私は若い人たちに成功を語るほど(決して失敗したわけではないので誤解なきよう)でもないので、そちらはご勘弁頂き、少子高齢化社会で今後働き方がどう変わっていくかをテーマにすることにした。

 

そもそも高齢化は先進国共通の問題であり、「長生き」できる環境が整った(健康かどうかは別にして)と考えるのが妥当だろう。

それよりも問題なのは、少子化が急速に進展することであり、市場が縮小均衡に向かうことではないだろうか?

このところ、定年延長や正社員解雇の難しさなどが若年層の雇用を脅かしているとの議論もあり、将来日本も失業率の高止まりに悩まされるかもしれない。

 

現状のまま、少子化で市場が縮小すると、将来設計が立てられる層とそうでない層(正社員・非正社員)の労・労格差がますます広がるのは間違いないところである。

労働問題の専門家ではないので私見であることを断っておくが、少子高齢化社会を迎え、「同一労働同一賃金」へ思い切った舵をきる必要があるのではないかと思う。

 

「同一労働同一賃金」ここ最近耳にした人も多いかもしれないが、その理念は国際労働機関(ILO)によって半世紀以上前から差別待遇の禁止として提起され続けている。

日本では、終身雇用・年功賃金の名のもと転勤、配置転換、出向、残業など正社員に課される包括的な労働契約が同一労働同一賃金を反故にする根拠になったと考えて差し支えないだろう。(特に女性には転勤や残業が障壁となる状況を生んだ)

 

経済成長が著しい時代には、合理的だったこの雇用形態はもはや、時代に沿わないものになっている。経営者とて、リスクを冒してまで正社員に拘るより、雇用調整が容易な非正社員で賄いたいと考えるのは至極当然といえる。

 

これからはいわゆる就社ではなく、仕事の質・量で賃金水準が決まる同一労働同一賃金と解雇規制の緩和をベースにして労・労格差を是正し、多様な働き方や雇用の流動化を促進することが肝要ではないだろうか。

 

文責:中村文彦 tnc会員 (2013.6.18)

 

2013年

3月

25日

ユーモアの効用

 近頃、ネットで読んだ記事なのですが。

 

 仕事のできる・できないとユーモアの間に、関係があるそうです。

 

 

さまざまな研究が行われていまして、なんでも、保険の営業などは、ユーモアのある人ほど営業成績が良かったそうです。

 

もっとも、そのユーモアというのは、笑いを取ると言うよりも、表現性が豊かであったり、場を和ませたり、コミュニケーションに関するみたいなもののようですが。

 

営業成績が良い理由として考えられるのは、ユーモアのある人の方が、話していて楽しい、説明が上手く、判り易いというのが大きな要因の様です。

 

ユーモアの効用は、営業以外にも、課題解決能力、危機対応能力、創造力とも関係があるそうです。

 

人間、困難に直面しますと、物理的にも精神的にも視野が狭くなります。ユーモアのある人ほどは、視野が狭くなるのをある程度、防がれ、前向きに物事に対処できるそうです。

 

 

日本では、笑いを不謹慎と考え、談笑一つできない職場を、皆が真面目に仕事に取り組んでいる良い職場と考えると人が居ますが、対照的な考えですね。

 

明るく楽しい仕事は、なかなかないかもしれませんが、明るく楽しい職場や人間関係は、心がけしだいで出来るものです。

 

問題は、ユーモアのセンスをどうつけるかですが、大変ありがたいことに「相手に受ける必要はない」みたいですね。オヤジギャグでも良いそうです。第一の目的は、自分が楽しむことで、自分が楽しめればOKということです。ただし、日本ではときより、皮肉=ユーモアと考える人が居ますが、皮肉は辞めた方が良いと思います。これは単に嫌味になって、雰囲気を悪くするだけですので。

 

文責:遠藤 和昭・tnc会員(2013.3.25)

 

2013年

1月

22日

社長は「思い」を語り信頼を得ることが仕事

今一番感謝しているのは、前職の会社の会議室、HPに私が経営理念について書いた文章が今も掲げられていることです。折角の機会でありますので、その中の一文を紹介させて頂きます。

 

大切にしている言葉は「感謝」「思いやり」「相互理解」

-共通するのは「やさしさ」と「信頼」

 

この三つの言葉を共有する仲間を増やしていきたいという思いが会社設立以来続いています。今あるのは、いろいろな人のお陰で仲間と一緒に仕事をしている。その「感謝」の気持を「ありがとう」で終わるのでなく、周りの人に、その「感謝」の気持を「思いやり」という形でお返しをする。その「思いやり」も一方的なものではなく、相手の立場などをよく理解して行う「相互理解」があってのものです。そして三つの言葉に共通するのは「やさしさ」と「信頼」であると考えています。当社としては、今後ともこの理念を大切にし、皆さまのご支援を頂き、社員と一緒になって、より良い会社にしていきたいと考えています。どうか今後ともよろしくお願いします。

 

以上ですが、今でも同じ思いです。

社員の信頼を得るのは大変むずかしい。しかし、経営で一番大切なことだと思います。

その為には、自らの思いを社員に語り続けることだと思います。

 

文責:神尾 敬一・tnc会員(2013.1.22)

 

2012年

12月

22日

青春とは何だ!! ♪これが青春だ~♪

数十年前に流行ったドラマの主題歌があります。♪おおきなそら~に~♪、 ♪はしご~をか~け~て~♪(作詞 岩谷時子)です。今でも、カラオケ で歌われているかもしれません。この歌詞の中で、♪恐れ知ら~ない♪、 ♪夢~に飛び~込む♪、これが青春なのだと。

 

当団体は、若そうな会員から、昔若かった会員と幅広い年齢層で構成され ています。もちろん、男性だけではなく女性も在籍しています。彼らや彼女らは大変活動的で、情熱的です。 総じて、皆さんはバイタリティがあ るという印象です。

 

世間からの逃避も兼ねて山に登ることがあります。今夏(2012年)に蝶ケ岳 (標高2677m)に登りました。道中、特に苦しそうな気配もなく坂道を登っ ている、ご年配らしき男性に出くわしました。男性が言うには年は80歳 で、毎年この山に登っているのだという。

 

自分自身を振り返ってみると、歳だからと言いながらいや事は後回しに、 何をするにも言い訳を先に考え、挑戦や情熱という言葉は古語になりつつ あります。この詩に出合い、気持ちを奮い立たせています。大抵は空振りに終わりますが、元気になれそうな気もします。

 

この詩、「青春(Youth)」は、米国の最高司令官であるマッカーサー元帥 が座右の銘としていたとのことです。この詩の中で、「情熱を持つ者」が 「青春」であると。この英詩は非常にテンポがよく、読みやすいようです。 岡田義夫氏の日本語訳は、重々しく心に響きます。青春とは「心がけ」 次第なのだと!!

 

“YOUTH”    Samuel Ulman

 

 Youth is not a time of life - it is a state of mind.; it is a temper 

of the will, a quality of a imagination,a vigor of the emotions, 

a predominance of courage over timidity, of the appetite for

adventure over love of ease. ・・・

 

全文と素晴らしい邦訳は、下記URLでお読みください。

http://www.seisyun.jp/uta/uta.html 

 

  青春の詩      サミュエル・ウルマン  邦訳 岡田 義夫

 

青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。

優れた創造力、逞(タクマ)しき意志、炎(モ)ゆる情熱、 怯懦(キョウダ)を却(シリゾ)ける勇猛心、

安易を振り捨てる冒険心、 こう言う様相を青春と言うのだ。

 

(注) 逞しき(タクマしき);がっしりしてつよい 

    怯懦(キヨウダ);おくびょうで気の弱いこと 

    却ける(シリゾける);後退させる

 

(文 大塚 茂 tnc会員 2012.12.22)

 

2012年

12月

04日

一歩踏み出せば世界は変わる!

2012年も、はや、師走。世の中の変化のスピードが益々速くなっていくように感じます。毎日見ているテレビでも何が大切なのかじっくり考えるいとまもなく番組が流れすぎていきます。そんな中で、ずっと心にとどまっている番組があります。

 

糀屋の女将 浅利妙峰さんを取り上げた「プロフェッショナル」というNHKの番組です。肉も魚も簡単においしくできる調味料として「塩糀」が今、一大ブームを巻き起こしていますね。この「塩糀」を初めて世の中に紹介した方が妙峰さんです。妙峰さんのお店、糀屋本店は、大分で300年以上続く老舗糀屋です。糀は、みそやしょうゆ、みりんや甘酒を造る原料として日本の食文化に欠かせないもので、その歴史は1000年を越えます。しかし、家庭でみそや甘酒がほとんど造られなくなった現在、各地の糀屋は次々と廃業に追い込まれています。妙峰さんのお店も同様で折詰弁当箱の組み立て内職を初め様々な副業をしながら生計を立ててきたそうです。そして、妙峰さんの父親が病で倒れ、廃業するか否かの決断を迫られたとき、もう一度、糀に真剣に向き合おうと専門書を読み漁ってたどり着いたのが江戸時代の料理本「本朝食鑑」でした。そこに記されていた「塩糀」をアレンジして売り出したところ、一大ブームになったのです。

 

妙峰さんは、「塩糀」を使ったレシピを1000以上も考案、その魅力を伝えようと定期的に料理の講習会を開いています。今年は、なんとニューヨークでも開催しました。また、妙峰さんは、各地の糀屋に足を運び、店先で無料料理講習会を開いたり、客を呼ぶ工夫を伝えたりして自信を無くしている仲間たちが前向きになれるよう共に考え、励ましています。それは、今のブームを一過性で終わらせず長く定着させるためには、妙峰さんのお店が一人勝ちするのではなく、全国の糀屋が元気になることが必要、と考えているからだそうです。

 

番組の中に登場した富山の糀屋さんは、日々の仕事は一所懸命されているものの、新しい発想で、昨日と違う何かに前向きに取り組もうとの姿勢にかけていました。それが、妙峰さんに背中を押されて「塩糀」を使ったオリジナル料理を商店街の七夕祭りの模擬店で販売するまでになりました。昨年まではフランクフルトを売っていたそうで、七夕祭りに店の商品である「糀」を宣伝しようとの発想が全くなかったのです。この富山の糀屋さんと同様、妙峰さんも跡取り娘として一所懸命、糀屋本店を経営してきました。内職をして生計を立ててでも店を続けてきました。ですが、もう一度「糀」と真剣に向き合おうと思うまでは、同じ場所で足踏みをしていたのです。足を動かしても全く前に進んでいませんでした。真剣に「糀」に向き合うことで一歩前に踏み出でたのです。

 

「宝は、足元にあった」と気づいたとき、世界が変わったのです。小さな成功が次の成功を呼び、人との出会いが次の機会をもたらしました。真に、一歩踏み出せば、世界は変わるのですね。それと、妙峰さんの笑顔はとても魅力的です。カラカラと大声で笑う姿は、肝っ玉母さんそのものです。やはり、笑顔は自分も他人も前向きにしてくれますね。筆者も、来年こそ、妙峰さんをお手本に笑顔で一歩踏み出したいですね。

 

文責:内山 朗tnc会員 山梨在住(2012.12.4)

 

2012年

10月

26日

秋の味覚『きのこ』

秋になると、季節の旬の食材がたくさん出回ります。果物では、柿、栗、いちじく、りんご、魚では、鰯、サンマ、サバ、鰹、鮭などがあります。野菜では、えのき、エリンギ、かぶ、かぼちゃ、しいたけ、しめじ、なめこ、マイタケなどなどきのこ系のものがたくさんあります。今は、栽培されているので、1年を通して出回っていますが、やはり秋の味覚と言えば、私の中では、きのこです。

 

きのこの歴史を簡単に見てみますと、1万3000年前のチリの遺跡からは食用キノコが発見されているそうです。紀元前数100年の中国で、きのこを食用として証拠が見られたのは、初めてだったそうです。中国では、きのこを薬用としても扱っておりました。(ウィキペディアより)

日本は、平安時代に広葉樹の倒木に発生した野生のしいたけを採取されていたようです。江戸時代になると、実際にしいたけの栽培を始め、ヒラタケ、えのきまでも栽培していたと言われています。

 

昔から食されていたきのこ。どのような作用があると思われますか。しいたけを例に見たいと思います。

 

1.骨の発育を促します 

 ビタミンD2の元になる物質をたくさん含んでいて、太陽に当てるとビタミンD2含量が大幅に増えます。骨粗しょう症予防にいいですね。

2.コレステロールや血圧を下げます 

  しいたけを食べることで、血液中のコレステロールの値が下がるということがヒトやラットで確認されているそうです。また、しいたけには、ラットにしいたけを与えると血圧が下がることが確認されているそうです。 

3.血小板凝集を阻害します 

 しいたけには、血液をさらさらにする作用があります。その作用は、きのこ類の中でも強いと言われています。

4.活性酸素を消去します

 しいたけなどのきのこ類に強い活性酸素消去作用があると言われています。

5.抗腫瘍作用があります

 きのこ類は遺伝子の変異を防ぐ効果を持ち、しいたけは、中でも最も効果が高いと言われています。

 

きのこは、食物繊維、ビタミンB類、ビタミンD2、ミネラルなどの多くの栄養素を含み、

低カロリー!ダイエットにぴったりで、しかもたくさんの体にいい作用があります。秋の味覚の中では、たくさん食べても気にならない食材ではないでしょうか。炒め物、炊き込みご飯、鍋物、サラダなどにと毎日食べても飽きないくらいバラエティに富んだ食事で楽しむことができます。しかも、価格が安い!こんなうれしいことはありません。

毎日食べて、体の中からきれいにしたいですね。

 

最後に、毎年この時期には、新聞やテレビで報道されておりますが、くれぐれも野生のきのこ採りには、お気をつけてください。

 

文責:大原 律子tnc会員(2012.10.26)

 

2012年

9月

29日

秋の夜長、怪しいことに思いを巡らすのは如何でしょうか

猛烈に暑かった日々もようやく去り、秋の訪れが感じられるようになって参りました。秋の夜長は、思索に耽るのが良いのではないでしょうか。

 

さて、私は長年、怪しいことに興味を抱いてきました。

怪しいと言っても、私流の表現でして、(あくまで私の)常識ではなかなか考えられない、信じられない、心底から納得できないことを言います。言わば関西弁で「ホンマかいな」と言いたいようなことです。(関西弁として合っているか誠に怪しいですが)

 

怪しいことは世の中に山ほどあり、特に、政治や経済、あるいは歴史でも怪しいことが多いですが、(この文章を書いている間にも、尖閣諸島の国有化を巡って、中国でデモが頻発していますが、誰が何の目的でデモを主導しているのか、極めて怪しいのですが、そういう話題はさて置き)今日は科学分野で私の興味がある怪しいことを述べて見たいと思います。尚、素人が思うことですので、専門的な間違いはご容赦下さい。

 

最近の科学分野の話題で最も怪しいことといえば、ダークエネルギー、ダークマターではないでしょうか。名前が暗黒エネルギー、暗黒物質ということでまさに怪しさそのものという感じです。

宇宙を形成している物質で、いわゆる普通の物質は4%に過ぎず、残りは上記のダークなものが占めていると言うことです。

宇宙は加速度的に膨張し続けていると考えられているが、膨張させている力がダークエネルギーで、星と星の間にある光を発しない物質がダークマターとのことです。

難しいことは専門家に任せるとして、素人的に解釈すると要するに宇宙はわからないものから出来ていて、いまどのようになりつつあるかは観測でわかりつつある。その一例は、私たちの属している銀河系と隣のアンドロメダ銀河(隣といっても236万光年先)は引力が勝り、引き付けあいやがて合体するが、その他の天体とはダークエネルギーによる斥力が重力に勝り、2000億年後には新銀河系以外の天体は見えなくなると言うことです。

さらにその先は、銀河系も、地球も、全ての物質が斥力により粉々になり、ただただ広い真空が広がるようになるという予想もあるようです。

要するに宇宙のはじまりも終わりも相当に怪しくて、「ヘェー」としか言いようがありませんね。なかなか、「ガッテン、ガッテン」とはいきそうにありません。

さて、直ちに私たちの生活に関係のないと思われる遠い宇宙の話から地球に目を向けて、地球上で怪しいと言えば、地球温暖化でしょう。この話題は、二酸化炭素の排出権取引などお金の話が出てくるので、余計に怪しい感じがします。最近、地球環境に影響を与える太陽黒点の活動が話題になっています。

黒点の様子は、約400年間観測されているが、最近その数の増減の周期が乱れてきており、黒点の数の少ない時期が長く続いたと言うことです。

今までは、黒点の極大と極小の時期が交互に訪れ、その1サイクルはほぼ11年とされていますが、前回の周期では極小期の周期が長くなっているそうです。これは、過去の例で、地球が寒冷化した時期に入るときには、黒点の周期が長くなる現象があるそうです。この寒冷化するメカニズムは、太陽の黒点の数は太陽の活動の活発さと関係しており、黒点が少なく、活動が活発でないときは、太陽の磁力やプラズマの塊りが、宇宙から地球に降り注ぐ銀河宇宙線を防御する力が弱くなる。そのため、銀河宇宙線により空気の原子や分子をイオン化しそこに水蒸気が集まり、雲ができる種が出来やすくなり、雲の量が多くなり、地球の寒冷化が進むと言うことだそうです。

これは、地球温暖化の検討事項には入っていないようです。

(何年か前にTVで討論を見たときには、シミュレーションの要素には入っていないと言っていました。)

さらに、地球の温度変化には他の要素もあるようで、ここで再びスケールが大きくなりますが、地球は1億4千万年毎に寒冷化することが分かって来たそうです。これは、太陽系が、銀河系の中心から伸びている4本の渦巻きの腕(スパイラルアーム)の中に入ることにより起きるそうです。

太陽系は銀河中心に対して、秒速240km/sで動いており、約1億4千万年毎に銀河系の中心から伸びている星が密集している4本の渦巻きの腕(スパイラルアーム)の中に入ることにより寒冷化が起きるそうです。この腕の中では、超新星爆発が盛んに起き、銀河宇宙線が発生する。その宇宙線は、地球にも降り注ぎ、先に述べたメカニズムで雲が発生し、地球が寒冷化するそうです。恐竜が絶滅した時期は渦巻きの腕に入り寒冷化したときに当たるそうです。現在は腕の中に入っていないので、このための寒冷化は影響がないと思われます。

以上のように、地球の気温を決める要素には、人類が知らないことがまだまだあるのではないかと思われますし、いずれにせよ太陽黒点の話は何年かの内にもう少し明確になるものと期待されます。少しでも怪しさをなくして本当に温暖化していくのか決着をして欲しいものです。(もし、寒冷化の方向が正しいと言うことになると、石炭など化石燃料による発電が見直されることになり、脱原発を加速することが期待できるのですが)

この文章を書いている時も、北極の氷が大幅に減少していると言うニュースが入ってきましたが、原因は二酸化炭素だけなのでしょうか。

まだまだ科学分野にはニュートリノやヒッグス粒子(場)の話など怪しい話題が豊富にあります。怪しいことを考えていると、眠れなくなってしまいそうです。

 

文責:大川 吉徳・tnc会員 (2012.9.29)

  

2012年

8月

30日

香りマーケティングについて

 今、香りマーケティングが注目されています。今までは、ディスプレイや色、照明、BGMなど、視覚や聴覚に訴えるマーケティング手法が中心でしたが、香りマーケティングは、五感の中でも、嗅覚に訴えるマーケティング手法です。

 

なぜ、今、香りマーケティングが注目されているのでしょうか。それは、五感の中でも、嗅覚というのは、感情や記憶に関連のある脳の中心部の大脳辺縁系という部分に、直接働きかけるといわれているためです。

 

 そのため、アパレル系のショップやホテルなどで、香りとブランドを結び付けるマーケティング手法として用いられているのです。香りのコンサルタントも活躍しており、ショップのイメージに合った香りを調合してくれるというサービスもあります。

香りマーケティングの仕組みを説明しますと、以下のようになります。

 

1. 心地よい香りで、顧客に快適な空間を提供する。

2. 顧客は、高揚感を感じ、ショップでの滞留時間が延長し、購買意欲が促進する。

3. 心地よい感じとショップのブランドイメージが重ねて記憶される。

4. ブランドの心地よいイメージが記憶に残り、リピート率がアップする。

5. 顧客の購買意欲を促進し、リピート率がアップすることにより、売上向上が見込まれる。

 

 また、パチンコ店での活用も広がっています。パチンコ店では、煙草の臭いが充満しているというイメージが強いですが、天然アロマの香りを店内に拡散することで、煙草の嫌な臭いを消す効果があります。また、心地よい香りで顧客の滞留時間が延長し、売上アップが見込まれます。アメリカのカジノでの実証実験では、ある柑橘系の香りをカジノ内に拡散させたところ、売上が50%以上もアップしたという結果が出ています。

 さらに、病院や歯科医院などでの導入も進んでいます。天然アロマの抗菌力により、感染症などの予防効果があるといわれています。特に歯医者では、薬品の臭いをかいだだけで、子供が泣き出すというような場面も想像できますが、このような薬品の臭いの代わりに、アロマの心地よい香りが院内に広がっていれば、患者も高揚感を感じ、治療の痛みが緩和されるかもしれません。

 この他、スポーツジム、美容院、エステサロン、英会話教室などや、もちろん一般のオフィスなどでも広く活用されています。集中力を高めることで、作業効率のアップやミスの低減を目的として活用されているケースもあります。

 

 香りを部屋に拡散させて楽しむということは、かなり以前から行われていたことですが、マーケティングで大々的に用いられるようになったのは、ここ数年の間です。それは、香りを拡散させる技術の進化によります。業務用に用いられるアロマの拡散器は、ナノレベルの超微粒子を拡散できるといわれています。これにより、空間での香りの滞留時間を長くでき、広い範囲に香りを拡散できるようになったためです。

 

 香りマーケティングは、先進的なショップなどで広く活用されていますが、個人経営の小さなお店でも十分活用できる手法です。家庭用のアロマディフューザーを利用して、店内に心地よい香りを拡散させることで、売上アップが見込まれるかもしれません。また、喫茶店などでは、コーヒーの香りを店内に漂わせることで、売上がアップするという事例も出ています。ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。

 

文責:藤田 尚美・tnc会員 (2012.8.30)

2012年

8月

07日

「女性に人気」の恐るべき秘密

私はもともと好き嫌いのない人間ですが、大人になってから味を知ったお酒のつまみの数々については特に「会えてよかった」と食べ物の神様に感謝する体験を何度もしています。からすみやモツの煮込み、クセのあるところで馬刺しや山羊肉、あんこうやどじょうの柳川、珍しいところでタイ料理屋さんで頂いたなにかの「虫」のから揚げまで、一口ごとになんておいしいものだろうと思いながら味わいます。

 

勿論、スタンダードなおつまみも大好きです。暑い夏には枝豆や煮びたし、寒い冬にはおでんやなべ物。からっと揚げたてんぷらやザンギも外せません。ああ思い出しても涎(よだれ)が止まらない。そして子供の時には知らなかったこうした「おいしいもの」との出会いを取り持ってくれる素敵な飲食店に敬意を払うわけです。

 

 しかし、そんな私にとって、承服できないお店の一群があるのです。

 

それは、あっさりした軽めの料理のキャッチコピーに「女性に人気」というフレーズを使うお店群です。とはいっても「しめさば」や「わかめの酢の物」が「女性に人気」といわれることはあまりなくて、たとえばシーザーサラダやバターコーンなど、材料がカタカナであることが特徴です。

 

怪しからん。実にけしからん。

 

こうしたキャッチコピーを見ると私は怒りに震えます。何故、女性がみなチーズソースをかけたレタスが食べたいものだと思うんだろう。何故、缶詰のトウモロコシを熱してバターを添えると女性が喜ぶと思うんだろう。過去に本当に女性客の最多オーダー記録があるんだったら見せてみんかい。

 

いや、実際、こうした料理が出されれば、私は美味しく頂きます。チーズは好きですし。

 

しかし、それ以上に魅力的なその料理やあの料理をオーダーすることが、私には許されていないんじゃないかと思えてしまうのです。誤解を恐れず言ってしまえば、こういうおしながきが壁に貼られていると「女性客よ、キミらが来ることが飲食店繁盛の秘訣だと言われたから、とりあえずキミらが好きそうな料理をメニュー入れてやったぞよ。だからつべこべ言わずにこれ食べておきなさい。」といわれているように感じられるんです。つまり、そういうメニューを作った人がもともとどういう「女性客」をイメージしていて、どの程度真剣にそうした「女性客」に訴求できる料理を考えているかが見えてしまうんですね。

 

その料理がたとえば他のメニューに較べて「高級感溢れる」や「希少性がある」で代弁できるようなものであれば、女性客は「女性用料理」に不満を抱くことはないでしょう。場合によっては、本来それをオーダーする気がなかったにもかかわらず、うっかりそれをオーダーしてしまうことだってあるかもしれません。しかし私のような胃袋の主が、すきっ腹を抱えて来店したと同時に「女性客はレタスやコーンをどうぞ」というメッセージを目にしたら、何かが音を立てて切れてしまっても仕方ない、というものです。

 

そのぐらい、お店の「おしながき」は恐ろしい力をお客様に及ぼしている、ということなんです。そして「女性」だけではなく「飲食店」だけでなく、あらゆるものを売るときに発するメッセージというのは、お客様の心理に影響力を強く持つものであることを、いろんな業種の皆様に認識して頂きたいなと願う次第です。

 

文責:松 美奈子・tnc会員 (2012.8.7)

2012年

6月

26日

技術集積と開拓の魂を受け継いで!

 当tnc中小企業支援センターは多摩・武蔵野地区を発祥として、この地から営業の基盤を広げようとしている。この地は、歴史的にみても開拓心や起業の意識があり、かつ技術の集積が見られる。今回、その流れを概観してみた。

 

 遡ること千年前より鎌倉街道が南北に走り、江戸幕府が置かれてからは直轄地として、その後背地として日用品や野菜を供給する役割を担っていた。特に江戸初期に人口の膨張に伴い困ったのは飲料水のようで、第3代将軍徳川家光に、鷹狩りの際に神田川の源流に目を付け「ここは江戸の井の頭ぞ!(^o^)/」と言わしめたのが、現吉祥寺の井の頭公園にある池である。やがて参勤交代制度によって再び人口が激増し、家光は老中工事奉行松平信綱に指揮をとらせ多摩川上流羽村から約43kmの玉川上水を人力のみで僅か11ヶ月で施工し江戸への引水に及んでいる。これは、当時の土木技術の粋を集めたプロジェクトであったといえる。

 

 この地は尚武心も強く、甲州街道の西の入り口の警備に当たった八王子の千人同心は、幕末に新撰組の構成員を輩出している。さらに、それを率いる近藤勇や土方歳三が多摩の出身であることは、万人の知るところである。

 

 明治に入っては自由民権の活発な地であり、また日中・太平洋戦争の戦前・戦中にあっては軍需産業の集積地でもあった。戦闘機“隼(はやぶさ)”を製作した中島飛行機の工場は、現在の武蔵野市中央公園にありこの地の中核企業であった。国分寺にある補聴器メーカーのリオンはその前身が昭和19年に設立された小林理学研究所で魚雷のソナーの研究開発から始まり、日本無線も中島飛行機に製品を供給しつつ軍需の一翼を担っていたのである。この地にも、横河電機、富士重工、シチズン、NTT、JAXA等と戦後伸長した企業・研究所は多い。

 

 こうした、技術集積を苗床として戦後生まれた会社に、半導体製造装置の新川(現東証1部)がある。ちなみに、私の叔父(故人)は、新川で集積回路に金線をつなぐ自動織機ワイヤー・ボンディング・マシーンの開発にあたり、一時は世界シェアの90%を占めるに至った(その後に米国キューリック&ソファ社等とシェアは分散している)。そもそも、半導体においても、小平にある日立製作所(現ルネサス武蔵)でMOS型トランジスタとして誕生していることは、有名な話である。かように、この技術集積地から生まれた企業を紹介するのには、枚挙にいとまがないのである。

 

 歴史的にみて、この東京多摩地区・武蔵野地区は江戸の町、東京帝都を支えつつ、開拓・開発・起業家精神が強いといえるのではないか。私たちtnc中小企業支援センターも、この地で生まれ育ち、飛躍を試みようとしている。昔人の息遣いや魂に触れ、それらを受け継ぎ、これからの多くのアントレプレナーや中小企業者の成長をバックアップして、共に発展できることを願う次第である。

 

文責:幸田 敏夫・tnc会員 小平市在住メンバー(2012.6.26)

2012年

1月

15日

初日の出

 2012年辰年の初日の出は、関東地方の多くではあいにく薄雲にさえぎられ、雲の上からのものになってしまった。東京近郊では、高尾山や犬吠埼、そして、東京タワーなどの“名所”に毎年多くの人たちが繰り出す。2013年からは高尾山よりも高くて海にも近い東京スカイツリーがおそらく随一の初日の出スポットとして脚光を浴びることになるであろう。

 

 私も社会人になってしばらくの間、初日の出登山に思い入れ、凛とした気持ちで新しい年の夜明けを迎えていた。寒さ厳しいなか、まだ黒い山陰(やまかげ)のかなたの海が太陽に照らされてにわかにオレンジ色に輝く瞬間はいまも鮮やかに脳裏に残っている。

 

 なぜ初日の出に多くの人が出向くのだろうか。欧米人には初日の出に特別な感情はないと聞く。だとすると、日本人には、“自然とともに生きる”とか“自然から糧をもらう”とかの特別な感情が先祖から脈々と受け継がれているからと言うことができるのではないだろうか。それは富士山への思いや俳句の心にも共通する。山では日の出を“ご来光”と呼ぶ。そこには、単なる自然現象を超えた、太陽を畏れ敬い感謝する心が感じられる。ビジネスの世界では国際化が叫ばれているが、この特別な日本の心をいつまでも大切にしたいと思う。

 

文責:佐藤泰久・tnc会員(2012.1.15)

2011年

11月

04日

奈良国立博物館の正倉院展

 読売新聞のお客様サービスで、毎月色んなイベントの入場券が当たる催し物がある。 今までも上野博物館だとか、六本木国立新美術館の入場券等利用させてもらっているが、今回は奈良国立博物館の正倉院展の入場券と云うのがあった。 期間が10月29日から11月14日と限られており、その為にわざわざ奈良まで行く人はいないだろうと思ったが、そう云えば暫く京都・奈良にも行っていないなーと思い当り、インターネットでその時期のイベントを調べてみたら京都では御所の一般公開を10月31日から11月6日迄やっている事が判明。 マー死ぬまでに一度位は御所を見るのも良いだろうと思い、家内と二人で出かける事にした。 京都も奈良も修学旅行シーズンで、何処も彼処も小学生・中学生で混雑していたが、流石に正倉院展と京都御所は我々の様な現役引退組が中心で、混んではいるが騒々しさはない。

 

 今年の正倉院展の目玉は、昨年東大寺の金銀荘太刀のX線調査で「陰剣」「陽剣」の銘文が発見され、国家珍宝帳(正倉院の宝物献納目録)から除物され長年行方不明とされていた「陰宝剣」と「陽宝剣」であると比定され話題になった事から、この除物を示す「出蔵帳」と合わせ、剣にちなんでと思われるが、聖武天皇の愛刀と云われる金銀鈿荘唐太刀(きんぎんでんそうからたち)が出展された。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 金銀鈿荘唐太刀 (写真:文化庁月報10月号より)

 

 この展示物だけは別途見物者の列を作らせる程人気もあり、特段の趣味も知見もない私が見ても素晴らしい出来だと思うし、大仏殿を作らせた権力者の凄さを感じさせるものであった。 正倉院展の出陳は10年は同じ物を出さないという事らしいから、この名刀も次にみられるのは10年後かもしれない。

 

文責:足立俊夫・tnc会員 (2011.11.4)