最近は低価格眼鏡販売のチェーン店が増加し、従来のメガネ店は苦戦を強いられています。例えば同一ランクのメガネ(フレーム、レンズ付き)をA店では25,000円、B店では15,000円で売っているとします。同様に、同一のサングラスをA店では18,000円、B店では9,000円で売っているとします。これだけを見るとどう考えてもA店は競争に勝つことはできないと思われます。
ここで、A店の状況をもう少しよく見てみますと、単に売るだけでなく、目の検査にも力を入れていて、従業員もよく教育されており、時間をかけて検査を行っているようです。すなわちA店の価格が高い理由は、仕入れが高いのはもちろんですが、検査にもコストをかけているからなのです。また、サングラスの価格にはメガネの検査のためのコスト(設備、教育費、人件費など)が転嫁されているようです。これではどちらも価格競争力が低下してしまいます。それではどうすれば良いでしょうか?
検査の内容、他店との違いを明示し、検査料を別だしにしてみましょう。もちろんサングラスの価格には関係のないコストを含めないほうが良いでしょう。お客様は、何となく高い物にはお金を出しませんが、明確なメリットがわかるものに対しては出す可能性があります。また、お客様はメガネを買うこと自体が目的ではないのです。クリアに見え、快適に過ごすことができることが本来の目的のはずです。それを実現するためには検査以外にもいろいろな付加サービスが考えられます。現在のお店の強みを意識しながら考えてみましょう。
今回はメガネ店を例に考えましたが、他の業種でも同じです。何がお客様のためになるか原点に立ち返ってみてはいかがでしょうか。そして、その内容をわかりやすくお客様に提示してみましょう。その価値を認めて対価を払って頂けるお客様は存在するはずです。
文責:三浦正義・tnc会員(2013.3.27)